6.12.12

~ワンダーランド~

 
 
 
 


 「彼(ブッシュ大統領)の頭の中では、アメリカ合衆国以外の世界はうす暗い、ぼやけた存在でしかなく、そこについてあまり考えたこともないらしい。

この本に集められた発言を読むと、彼には「考える」ということ自体あるのだろうか、と心配になってくる。」
                    ダグラス・ラミス(「まえがき」より) 
                     
                                                              




本を読んだ。



『不思議の国のブッシュ』 光文社

監修 ダグラス・ラミス [C.Douglas Lummis]

解説 テリー・マクミラン [Terri Macmillan]

訳者 平野すみれ


2003年に発行されたこの本を、時代遅れなボンクラは手に取った。




この本は元米合衆国大統領ジョージ・ウォーカー・ブッシュの迷語録を紹介したものである。


 

 
 

この本の目次は以下のようになっている↓

1.どうとく

2.こくご

3.さんすう

4.りか

5.ほうかご


この中の迷語録から何個か選出したいと思う。


↓     ↓    ↓    ↓



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「But all in all, it's been a fabulous year for Laura and me.」






いずれにしても、今年は私とローラにとってとってもステキな年だったよ。
                           2001年12月21日 ホワイトハウス、ワシントンD.C.






・・・この発言は「9・11からたった3ヶ月後」のことである。
ちなみに ローラとは彼の妻である。










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「It's amazing I won. I was running against peace, prosperity, and incumbency.」





選挙に勝てたのは驚きだ。 私は平和と繁栄、そして既存政権を敵に回して戦っていたのに。
               2001年6月14日 エーテボリ、 スウェーデン





そうだったの!?








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「We're a peaceful nation and moving along just right and just kind of having a time , and all of a sudden, we get attack-ed and now we're at war, but we're at war to keep the peace.」







われわれは平和的な国家で、普通にちゃんと、そして楽しくやってたのに、突然攻撃されて、戦争になって、しかし、平和を維持するために戦争になっているのである。
               2002年3月13日 ホワイトハウス、 ワシントンD.C.







●「平和的な国家」が「普通にちゃんと、そして楽しく」干渉・爆撃してきた国々↓

 イラン:人質救出作戦 ’80年4月    

 ソマリア:軍事侵攻 ’92年3月
 

 エルサルバドル:内戦干渉 ’81-’92  

 ハイチ:軍事侵攻 ’94年5月

 ニカラグア:内戦干渉 ’81-’92      

 スーダン:空襲’98

 グレナダ:侵略 ’83             

 アフガニスタン:空襲 ’98

 リビア:空爆 ’86年4月           

 コソボ:空襲 ’98年9月

 イラク:湾岸戦争 ’91年





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「I made up my mind that Saddam needs to go.









サダムは失脚させなければならないと心に決めたんだ。
   2002年4月5日 クロフォードのブッシュの牧場、テキサス









マイウェイ!

 ブレア首相とのイラク問題に関する会談後の会見の席での発言らしい。

同盟国がイラク攻撃に反対していることや国連査察団がイラクに核兵器があるという確固たる証拠を発見できていないことなどはおかまいなしに、ブッシュはもう、イラク攻撃を「心に決めている」と表明した。

結局、大量破壊兵器や核兵器は無かったが・・・・・。


そのほかにもイスラエルでのテロ攻撃のことを話し終わると、一瞬の躊躇もなく中断していたゴルフに戻る大統領の発言・・・・↓




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「Icall upon all nations to do everything they can to stop these terro0rist killers.Thank you.Now watch this drive!」






「すべての国家に、殺人テロリストを止めるためにできる限りの手を尽くしてほしいとお願いする。ありがとう。そら、このドライバーショットを見てくれ!」  2002年8月4日 ブッシュ家のゴルフコース ケネバンクポート、メイン






・・・・・・・・など、爆笑発言がたくさんある。


ほかにもアメリカの兵器の備蓄量の報告書をみて、

「こんなにたくさんあるなんて知らなかったよ・・・・どうしてこんなに必要なんだ?」

と、

真っ当な疑問を発言したりなど。最高である。






と同時に「恐さ」も抱いてしまうが・・・・





現在、9・11テロから11年が経ち、メディアや大多数のアメリカ人はこのような疑問を持っているらしい。
  


 Did we win or lose the war on terror? (私たちは対テロ戦争に勝ったの?負けたの?)


アメリカはブッシュからオバマに代わり、オサマ・ビンラディンを仕留めた。アルカイダの幹部のほとんどを殺すか逮捕した。

しかしイラクにもアフガンにも平和が訪れてはいない。

戦争でアメリカが失ったもののほうがはるかに多い。

ブッシュ政権はイラクを9・11テロの黒幕と決めつけて攻撃した。圧倒的な軍事力で「衝撃と恐怖」を与えるはずが、逆に泥沼化して自らの脆弱さを知らしめてしまった。

さらに膨れ上がる戦費で、クリントン時代に黒字になった財政は一気に市場最大規模の赤字へと転落。

国際社会における経済的信頼も失った。テロリストは何もしていない。

アメリカが勝手に自滅しただけだ。







この本にテリー伊藤は解説としてこう寄せている。↓

「第二次世界大戦前夜、ドイツ国民を狂わせたヒトラーを思い出してほしい。それは演説のうまさにあった。雰囲気だけでみんなが狂っていった。当時の日本もイタリアもそうだったかもしれない。

 
ブッシュは馬鹿っぽいがわかりやすい。インテリの言葉を使っていない。

そこが多くのアメリカ人に支持されている。

顔を見て、テレビで見ても雰囲気しか伝わってこない。

演説はムードや情緒にながされて聴くのではなく、活字になったとき初めてその正体がはっきりするということだ。耳で聞くことと、テレビの雰囲気と、活字を読むことは全然違う・・・・・・。」








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このボンクラは高校時代に、地元のクールな古着屋でNHK関係者と話したことがある。

彼は休暇を利用して、岡山にライブハウスめぐりをしていたらしい・・・。

ドキュメンタリーなどを制作している彼にボンクラは「一番きつかった仕事は何でしたか?」と聞いてみたら、

彼は9・11のことを挙げた・・・・。

彼 「9・11テロですね・・・・。あの時夜中に緊急に呼び出されて・・・・・アメリカから届いた映像を見せられて、

CGだと思いました。もしくは嘘の映像だと。そこから3日間徹夜でしたよ。」

と言っていた。



それから今のテレビ番組について談笑しながら面白いことをたくさん聞いた。


彼「僕が印象に残っているのは昭和天皇が亡くなったときなんですよ。もうすべてのチャンネルがお葬式の中継でね。」

店長 「そうそう、レンタルビデオに人が殺到して。」

ボンクラ 「へえ~。」(←当時このボンクラはまだ生まれていない)

彼 「もう本当につまらなくて・・・・・その時動いたのが、テレビ朝日さんで。天才バカボンを放送したんですよ。」

店長 「あっ思い出した。」

ボンクラ 「マジッすか。」

彼 「天皇が亡くなったのに ”これでいいのだ” じゃねえよって。

でも他局なんですけどあの時のテレビ朝日さんの"上"の決断はいまだに尊敬しますね。すごく印象に残っています。」

店長 「赤塚不二夫をもってきたのがさすがだった。でも”これでいいのだ”はスゲェわ。」

一同 「わっはっはっはっは。」




ほかにも、




彼 「今のテレビがつまらないのはテロップを多様するからなんですよ。あれは正直、視聴してる   皆さんを馬鹿にしてるんですね。 お前らはこう解り易くしないと伝わらないんだろって・・・・。

テロップがお笑いにも使われていて、あれは”笑い”じゃないんですよ。芸人の質が落ちるんです。テロップがないと笑わせられないと。

爆笑レッドカーペットとかつまらないでしょ?視聴者も芸人にとってもマイナスなんですよ。今ドリフの再放送がやってますけど、やっぱり面白いんですよね。わざわざ説明なんてしなくても面白いものは時代が経っても面白いんですよ・・・・・・・。」

そう言って彼は帰って行った・・・・・・。







・・・・・・・・









現在ブッシュはアメリカ史上最低な大統領として認知されている。

3000人が死亡したテロより上回る6000人の米兵と数万人のイラク、アフガン市民が殺され、犠牲になったからだ。



ブッシュ』という映画がある。


                     原題『W. 』 2008公開



社会派監督、オリバー・ストーンの映画である。

当初監督は「ソンミ村の虐殺」について制作する予定だったらしい。(ベトナム戦争の米兵による事件でこれもトラウマです・・・・)



監督とブッシュは同じ名門私立大学出だそうだ。

そして両者とも権力者の父親に対する思いがある。

親父に反発した監督は戦争に行き、ブッシュは親父に泣きついて州兵として終わっている。

これがこの二人の分かれ道となり、そうした学生時代のブッシュを知っているオリバー・ストーンは疑問をもち、この映画を製作したようである。


            日本語予告編(爆笑です) ↓     ↓     ↓      ↓



 
 
 
 
 
 
 
 
世紀の”KY(靴除け)男” とは、2008年12月にイラクを電撃訪問したブッシュ大統領のマリキ首相との共同記者会見中にイラク人記者から靴を投げつけられた事件のことである。

この事件について、いろんな論客が皮肉を交えたジョークを飛ばしている。

ジェイ・レノ:
「さて皆さん、ようやくブッシュ大統領の特技が見つかりましたね。ドッジボールだ!

皆さんご存じのように、昨日イラクで、ブッシュ大統領は靴爆弾で攻撃されました。ブッシュ大統領がイラクで記者会見している最中に、記者の一人が1足の靴を大統領めがけて投げつけたのです。ブッシュ大統領がどうなったか見た?靴を避けるために大統領はどうしたと思う?彼はこれまでにないことをしたんだ。左に傾いたんだよ!

おいおい!認めなきゃ!人物評価がどうであれ、ブッシュは優れた反射神経の持ち主だよ。ビル・クリントンも感心してるさ。だって、クリントンは靴とか、皿とか、照明器具とか、何でも避けられる専門家だもんな。」


 
 
 
 
デビッド・レターマン:
「・・・ブッシュを褒めなきゃね。なにしろ、ものすごく素早い動きだっだからな。実に見事な対応だったよ。他の時も同じくらい素早く対応できてればねえ。ビン・ラディンとか、ハリケーン・カトリーナとか、ビン・ラディンとか住宅ローン危機とか、ビン・ラディンとかアフガニスタンとか、ビン・ラディンとかリーマン・ブラザーズとか・・。まあ、記者会見でさよならするためにあそこに行ったら、記者に靴を投げられたってわけだ。でもブッシュは見事だった。ブッシュがあんなにうまく逃げられたのはベトナム戦争以来じゃないかな?」




 





言いたい放題である。







「俺は親父の言いなりにはならねーぞ」と反発し、自分で父親の支配から抜け出し、大人になったオリバー・ストーン。

コネを使って大学に入り、コネを使って事件をもみ消し、父親に認められたくて戦争を起こし、大統領になったブッシュ。



しかし、彼を選んだのは「国民」である。民主主義によって。






映画『ディクテーター(独裁者)』でアラジーンという架空の独裁者はこう投げかける。

「アメリカでは上位1%の金持ちが富のほとんどを独占し、貧乏な庶民は医療保険もない。国民に選ばれた大統領はウソをついて戦争を起こした。

独裁とどっちがマシだ?民主主義は欠陥だらけのシステムだ・・・・・・・・。」






と、








最後にブッシュが大統領就任後、イギリス旅行中に、子供に「ホワイトハウスはどんなところですか?」と聞かれたときの発言で終わろうと思う・・・















It is white. (白いよ。)

















































George Walker Bush (1946~)
ジョージ・ウォーカー・ブッシュ
アメリカ合衆国の政治家。第43代アメリカ合衆国大統領。不思議の国の住人である。






William Oliver Stone ( 1946~)
ウィリアム・オリヴァー・ストーン

アメリカ合衆国の映画監督、映画プロデューサー、脚本家。
ベトナム帰還兵である自身の実体験を生かし、ベトナム戦争とそれが人間に与えた影響を描いた。アメリカ政府やアメリカの政治を批判した作品も多い。







*ハイル!!!のpart2は参考資料を観直したり読み返したりで時間かかってます・・・・・・・すみません!
































 

 











4 件のコメント:

  1. W・ブッシュの話、面白かったです。

    そういえば、ハルバースタムの「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争」という本を読んでいました。朝鮮戦争の直前、米軍は韓国から北朝鮮へ北進させていた。そのとき、中国軍が北朝鮮の援護に現れていることを認識しながら、その情報をもみつぶした。結果として、のちのベトナム戦争やイラク戦争へとつながるような、アメリカの泥沼式戦争のテンプレートが朝鮮戦争という形でできあがっていったと言います。

    朝鮮戦争で、中国関与の情報を無視して、軍を退かせることがなかったのはマッカーサーで、当時の米大統領トルーマンはむしろマッカッサーと仲が悪かったんだそうです。輝かしい軍歴(政治歴)を持つ父親を継いで、父親を越えようというコンプレックスの中で成長していき、苦しい戦争を巻き起こした点において、マッカーサーはW・ブッシュのようでもある。朝鮮戦争で情報がもみ消されたように、イラク戦争でも情報操作の中で開戦されました。

    歴史は繰り返すと言えばやさしいのですが、なにかぞっとするものはありますね。

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    1. コメントありがとうございます。

      泥沼化される戦争のテンプレートとしてのルーツが朝鮮戦争であることになぜアメリカは何も言及しないのかと私も疑問を持ちます。

      それはあまりにも映画作品が見当たらないからなのですが。

      フランク・シナトラの『影なき狙撃者』くらいしか作品が見当たらないのは(私が知らないだけかもしれませんが・・・)

      朝鮮戦争が「忘れられた戦争」といわれるように、どうもアメリカの歴史的にも意識の外にあるようですね・・・。

      ロバートアルトマン監督の『マッシュ』も9割ベトナムよりです。

      情報操作でもみ消された、または表面に出したくない隠れた歴史があるのかのしれません。

      ハルバースタムの「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争」・・・・・上下巻あり、大著のようですね。未読です。

      密林で頼みました。教えてくださってありがとうございます。

      ではでは~。

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  2. 私は学がないので、単純に感じたことだけを述べさせていただきますね。


    人民全体の思想や制度に対して責任を負う、
    各国の政治家は本当に発言や行動に気をつけなければならないと思います。
    可愛そうな程に。

    国民はほんの少しでも、そういったことに気を使えるような政治家を
    選抜する責務があるのでしょうね。

    アメリカなんかは、戦争やテロなど、
    なおのこと一つの決断に重みがあると思います。


    「人はタフでなければ生きていけない。
    人は優しくなければ生きていく資格がない。」


    世界が優しい人でいっぱいになりますよう祈りつつ、
    おいとまさせて頂きます!笑

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    1. コメントありがとうございます。

      『12人の怒れる男』という映画で「民主主義バンザイ!!みんなも先進国のやり方をとりいれて平和になろうぜ!」と単純に思ったものですが、歴史をひも解くと戦争という問題がありました。

      それが国や政府の決断ではなく一人の人間の背景が元にあったという事実。

      日本でもこのような事態になりうる・・・・という可能性はあると思います。

      やはりトップに立つ人間は政治やイデオロギーを語るという点では冷静になる必要があって、また自分たちも冷静に考える必要があるかとおもいます。

      戦争など実感できない世代ですが、可能性があるという点ではどう転ぶか解らないですけど、ゾッとしますね。

      フィリップ・マーロウありがとうございます(笑)

      ではでは~。

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